1984年にリリースされたサザンオールスターズの『ミス・ブランニュー・デイ』。
発売から40年以上が経過した現在も多くの音楽ファンに愛され続けている。
軽快なリズムとともに、スタイリッシュなサウンドは、1980年代の雰囲気を象徴している。
桑田佳祐さんが『ひらめきが天才』と称した原由子さんの存在。
このテクノ調のイントロは、原由子さんが考えたとのこと。
作詞・作曲を担当した桑田佳祐さんは新しいものや華やかなものを追い求めていた。
特に音作りに関しては、当時の海外のシンセポップ・シーンの空気感を、サザン流に表現することを目指していたのです。
そんな中で誕生したのが『ミス・ブランニュー・デイ』。
イントロが印象的なシンセサウンド。
そこにはサザンオールスターズのキーボーディストであり、桑田佳祐さんのパートナーでもある原由子さんの存在が大きかったというのです。
原由子さんが譜面に書き起こしたフレーズを、国内屈指のシンセサイザー・プログラマー(マニピュレーター)だった藤井丈司さんが打ち込みます。
かくして機械主体のテクノロジー・サウンドをJ-POPに取り入れた、先駆的で近未来的なサウンドが完成しました。
そして桑田佳祐さんの鋭い視点と、原由子さんをはじめとしたメンバーの高い演奏力が融合したことで、時代を先取りした芸術作品として評価されるようになったのです。
『ミス・ブランニュー・デイ』(MISS BRAND-NEW DAY)の意味
『ミス・ブランニュー・デイ』とは、新しいブランドや流行を追い求めるような女性達を意味している。
そのモデルとなったのが、1984年当時の「女子大生ブーム」の真っ只中にいた彼女たちでした。
いわば歌詞の内容は、流行に流される世間への批評といったものもあるように感じる。
Oh,oh,Miss Brand-New Day
みな同じそぶり
Oh,Miss Brand-New Way
誰かと似た身なり
作詞作曲 桑田佳祐
自分の意志ではなく、世間の流行やブランド志向に流されていく。
そんな当時の女子大生などの若者の姿を描いている。
意味も分からず流行りの言葉やブランド品を身につけることで見栄を張る、といった女子大生の心理を表現。
私の一番好きな歌詞が
誰のため本当の君を捨てるの crazy
しなやかさと軽さをはきちがえてる ah
作詞作曲 桑田佳祐
「皆綺麗でまぶしくて素敵だけど、みんな同じに見えるよ。
本当の自分を捨ててまで、する意味あるの?
背伸びして、綺麗にかっこよく見せて、自分に酔ってるだけ。
誰のためにそんなことしてるの?
自分で自分に酔いたいためにしてるの?」
的な、私の解釈です。
世間が流行に流される本質って、現代でも変わっていない気がします。
むしろSNSの普及によって、流行のサイクルは加速しているようにも思える現代です。
ユニクロのTVCMで数多く起用される理由
ユニクロのTVCMといえば、サザンオールスターズにおける往年のヒットナンバーに乗せて流れるのが最近の定番かもしれません。
なぜ、サザンオールスターズや桑田佳祐さんの楽曲が起用されているのでしょうか。
ユニクロの企業コンセプトは「LifeWear(人々の生活をより豊かにする服)」だといいます。
そのブランドメッセージを伝えるのに、サザンの普遍的で親しみやすい楽曲がぴったりだからとのこと。
ユニクロブランドの世界観とサザンの楽曲のイメージが、見事にマッチしているためです。
そういえばサザンのCMで流れる軽快なメロディーって、映像と見事にマッチしていますよね。
「この曲は誰の曲だろう?」と興味を持った視聴者も少なくないでしょう。
ある意味、サザンをリアルタイムで知らない世代にとっても、CMを通じて楽曲に触れることができます。
誰もが新鮮な魅力を感じられるのが、サザンの最大の武器かもしれません。
綾瀬はるか・松下洸平出演CM『感動パンツ』で話題
サザンの曲は2026年3月にオンエアされたユニクロのCMでも話題となりましたね。
「伸縮!軽量!速乾!」といった「感動パンツ」の特徴を伝える内容です。
そして綾瀬はるかさんと松下洸平さんが交互に「感動するから、感動パンツ」という台詞で締めています。
綾瀬はるかさんの自然体な演技と松下洸平さんの親しみやすい雰囲気が楽曲の世界観と見事にマッチしています。
そんな軽快なストーリー展開の中で流れる『ミス・ブランニュー・デイ』は、
視聴者の心に強い印象を残したのではないでしょうか。
CMをきっかけとして楽曲が再評価されるケースは決して珍しくありません。
『ミス・ブランニュー・デイ』は、令和の今でも通じる、洗練されたサウンドが評価されている。
1989年映画『彼女が水着にきがえたら』の挿入歌
『ミス・ブランニュー・デイ』は、1989年の映画「彼女が水着にきがえたら」の挿入歌でもある。
原田知世、織田裕二出演のマリンスポーツをテーマとした、恋と冒険を描いた、まさに1980年代後半のバブル期の雰囲気にあふれた作品でした。
これまた、湘南を舞台にしたストーリーです。
監督は「私をスキーに連れてって」の馬場康夫。
主題歌はサザンオールスターズの『さよならベイビー』。
やはり、”海”といえば、サザンオールスターズなんですよね。
みごとに、映画の世界観にマッチしていました。
終わりに
『ミス・ブランニュー・デイ』は、当時の日本社会を映し出した楽曲でありながら、そのメッセージや音楽性は現代でも十分に通用します。
そんな楽曲が今なお色褪せず、ライブでも圧倒的な盛り上がりを見せています。
『ミス・ブランニュー・デイ』は、1984年に発売されたアルバム『人気者で行こう』に収録されています。
あの「へのへのもへじ」です。
これからも世代を超えて、愛され続ける日本音楽史に残る名曲として刻まれていくことでしょう。

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