1978年に発売されたサザンオールスターズのデビューシングル「勝手にシンドバッド」。
発売から50年近く経った今でも、夏になると耳にする機会が多いと思いませんか。
それほど、日本の音楽史に残る名曲として語り継がれているのです。
それまでに存在しなかった独特な歌詞とアップテンポなリズム。
そして桑田佳祐さんのあの歌い方にはかなりの衝撃を受けたものでした。
初めてTVで見た時、「この人ふざけてる?何言ってるかわからない。でも面白い。」
と思ったものでした。
桑田佳祐とサザンオールスターズの原点がライブやアルバムで楽しめる
「勝手にシンドバッド」の最大の魅力といえば、何と言ってもライブでの圧倒的な盛り上がりです。
コンサートでは定番曲として披露されることが多く、イントロが流れた瞬間に会場のボルテージは最高潮。
観客が一体となって手拍子を打ち、サビを大合唱する光景はまさしくサザンライブの象徴かもしれません。
桑田さん自身が「サザンオールスターズの原点」といえる楽曲だと語るほどです。
まさしく若き日のエネルギーが凝縮されており、現在でもライブでは当時の熱量を再現しているのです。
その「勝手にシンドバッド」ですが、数多くのベストアルバムにも収録されています。
だからこそ、サザンオールスターズを初めて聴く人にとって、まず押さえておきたい代表曲のひとつです。
長いキャリアの中で数々のヒット曲を生み出してきましたが、その原点にある楽曲です。
そのためライブではアンコールやクライマックスを飾ることが多いといいます。
アルバムで聴くのもいいものですが、やはりライブで体感することでその凄さがより伝わってきます。
ザ・ベストテンで衝撃デビュー
『勝手にシンドバッド』はサザンオールスターズの記念すべきデビュー曲です。
当時の音楽業界は、フォークやニューミュージックが主流でした。
アイドルでは、ピンクレディーや山口百恵が全盛期。
また、キャンディーズが引退したり。
そして、サザンオールスターズはそれまでの常識を覆す斬新なスタイルで登場したのです。
そこで注目されたのが桑田さんの独特な歌唱方法でした。
アップテンポのロック・ナンバーを、まるで速射砲のような早口で歌うスタイルでした。
日本語でありながら、何を歌っているのか分からないほど独特な発音でした。
これこそが、多くの視聴者に衝撃を与えたのです。
このような新鮮さが若者たちの心をつかみ、徐々に人気を拡大していきました。
きっかけとなったのが、当時絶大な影響力を持っていた音楽番組「ザ・ベストテン」への出演。
1978年8月31日の「スポットライト」コーナーでのこと。
「上半身裸で短パン」といった、非常に奇抜な衣装で登場。
当時としては非常に型破りなスタイルとエネルギッシュなパフォーマンスで、鮮烈なTVデビューを飾りました。
しかし、従来のアイドルや歌謡曲歌手とは明らかに異なるスタイルは賛否両論を呼んだのです。
今でこそ国民的バンドとなったサザンオールスターズですが、その伝説は「勝手にシンドバッド」とともに始まりました。
歌詞の意味が分かるようテロップ入りの出演
後に一般化する歌詞表示の先駆的な事例として、サザンオールスターズが語られることもあります。
フジテレビの音楽番組「夜のヒットスタジオ」に出演した際、歌詞テロップ入りでの出演が話題となりました。
当時のテレビ界の柔軟なアイデアから始まった画期的な試みでした。
「何を言っているのかわからない!」
そんな視聴者からの問い合わせや要望が相次いだことを受け、テレビ局側が聞き取れなくても、歌詞が分かるようにするという配慮をしたのです。
「勝手にシンドバッド」の歌詞は、湘南の情景描写と男女の恋の駆け引きを巧みに掛け合わせています。
砂まじりの茅ヶ崎
江ノ島が見えてきた
作詞作曲 桑田佳祐
実在する地名が登場することで、リアルな情景が思い描かれるのです。
そして
今何時? そうね だいたいね
今何時? ちょっと待ってて
今何時? まだ 早い
作詞作曲 桑田佳祐
良く日常で、はやり言葉のように使ってましたよ~(^^♪
こうした表現によって、恋の駆け引きを軽快に絶妙に演出しています。
さらには
胸さわぎの腰つき
作詞作曲 桑田佳祐
桑田さん特有の造語のような桑田語?も特徴的といえるでしょう。
こうしたリズミカルなフレーズは、言葉の意味よりも「響き」や「ノリ」を重視していました。
まさしく、桑田さんによる言葉遊びの宝庫といえるでしょう。
かくして、今までの常識を打ち破った革命的な存在となったのです。
志村けんが元ネタという衝撃エピソード
2020年4月4日、桑田さんがパーソナリティーを務めるTOKYO FM「桑田佳祐のやさしい夜遊び」で衝撃の事実を告白します。
桑田さんはこの日、3月29日に新型コロナウイルスの影響で肺炎のため亡くなった
志村けんさんを追悼しました。
そして志村さんが、ドリフターズのバラエティー番組「8時だョ!全員集合」で流行らせたギャグ「勝手にシンドバッド」からインスピレーションを得たと告白したのです。
沢田研二さんの「勝手にしやがれ」とピンク・レディーさんの「渚のシンドバッド」の2曲の音源を交互に流し、志村さんがそれぞれの特徴的な振り付けを瞬時に切り替えながら無理やり1曲のように踊る、というネタでした。
このコントの中で、志村さんが「勝手にシンドバッド!!」と叫んでいたのを、たまたま桑田さんがTVで見ていて「面白いな」と強い印象を受けたそうです。
つまり「勝手にシンドバッド」のタイトルのルーツは、志村さんにあると明かしたのです。
その後も、志村さんはバラエティ番組などでサザンオールスターズの楽曲をネタに使い、桑田さんと共演した際には、絶妙な掛け合いを見せていました。
そのため、お互いをリスペクトし合う関係性があったといいます。
志村さんのコミカルなパフォーマンスがタイトルの元ネタだったと知ると、こうしたお祭りのような曲調にも納得できます。
桑田さんは、涙ながらに志村けんさんに最大級の感謝を伝えています。
最後に
「勝手にシンドバッド」は、日本の音楽シーンに大きな衝撃を与えた歴史的な一曲です。
志村けん、沢田研二、ピンクレディーの数々の逸話やエピソードを生み出し、今なお色褪せることはありません。

コメント