大森元貴のソロ新曲「0.2mm」は、映画「90メートル」の主題歌として書き下ろされた一曲だ。
このタイトルに込められた意味について大森元貴本人は
「0.2ミリは受精卵の大きさ」と語っている。
0.2ミリってどれくらいだと思いますか?
人の髪の毛の太さが平均約0.08ミリなので、
それに比べるとほんのわずか大きい程度。
身近な髪の毛に例えると分かりやすいですね。
人の命は、そんな目には見えないほど小さな存在から始まる。
そんな小さな命がやがて成長し、誰かと出会い、日常を重ねながら人生を歩んでいく。
「0.2mm」というタイトルには、”命の始まりと、触れたか触れてないか人と人との微妙な距離”というテーマが重ねられているようにも感じられる。
一方、この曲が主題歌となっている映画「90メートル」にも、”距離”が印象的に表れている。
数字の大きさは違っていても、その間には人と人との関係や距離が静かに描かれているのかもしれない。
今回は、大森元貴のソロ楽曲「0.2mm」について、タイトルの意味や制作背景、そして楽曲の世界観を私なりに考察してみました。
最後までお付き合いしてくれたら嬉しいです。
「0.2mm」に込められた意味/命の始まりの大きさ
「0.2mm」というタイトルは、非常に小さな数字。
大森元貴はこの数字について、受精卵の大きさをイメージしていると語っています。
人の命は、わずか0.2ミリほどの小さな存在から始まる。
それは目にはほとんど見えないほどの大きさだが、その小さな命から長い人生が始まり、誰かと出会い、関係を築いていくことになる。
そう考えると、「0.2ミリ」という言葉は、人生の原点や人とのつながりの始まりを象徴しているようにも感じられる。
映画「90メートル」と重なる”距離”というテーマ
この曲は映画「90メートル」の主題歌でもある。
映画タイトルにある「90メートル」という数字もやはり”距離”を感じさせる言葉。
0.2ミリという極めて小さな距離と、90メートルという大きな距離。
そのスケールは全く違うが、どちらも人と人との関係の中で生まれる距離を象徴しているようにも思う。
映画「90メートル」は、難病のシングルマザーを看病するヤングケアラーの高校生と、その母との愛と絆の物語だ。
東京への進学を夢見るものの、そこには物理的・心理的葛藤が生じる”距離”があることを表しているよう。
しかし、離れ離れになっても、その物理的・心理的距離を超えた二人の絆は強い。
命の始まりを表す小さな数字と、人と人を隔てる大きな距離。
その両方を行き来しながら、この楽曲の世界は静かに広がっている。
「0.2mm」は瞬発力と直感で生まれた楽曲
「0.2mm」について大森元貴は、
瞬発力と直観を大切にして書いた
motoki ohmori 「0.2mm」Recording Behind the Scenes 引用
と語っています。
また、本人は
フランス音楽が好き
揺れたい
motoki ohmori 「0.2mm」Recording Behind the Scenes 引用
とも語っています。
実際に楽曲を聴いてみると、感情が静かに揺れるような雰囲気がある。
そして、まず心に残ったのは、特別な言葉ではなく、家の中で交わされるような何気ない会話の温度だった。
「帰る場所があること」
「待っていてくれる人がいること」
普段は当たり前に感じてしまうものが、映画の物語と重なることで、急にかけがえのないものに見えてくる。
難病を抱える母と、その母を支える息子。
その関係を思うと、この曲が描いているのは大げさな愛ではなく、日常の中に静かにある家族の愛なのだと感じる。
誰しもが自然と当たり前のように交わす親子の会話。
しかし、母親の病状が進行し、当たり前の日常が当たり前ではなくなってきたとき、この短い会話がとても尊いものになる。
この日常の中にある家族の愛を、親子の愛を、優しくすくい上げるような音楽になっている。
また、帰る場所があり、大切な人が待っていてくれている安心感。
そして、帰りたいと思ってくれる場所を”守る”という親の感情。
この曲を聴き映画の事を知った時、一人の親として、凄く共感し、感動しました。
大森元貴は、なぜソロ楽曲として発表したのか
大森元貴といえば、バンド”Mrs.GREEN APPLE”のボーカルとして知られている。
そんな中で今回の楽曲は、ソロ作品として発表されました。
ちょっとおでかけ
絶対的な帰る場所があるから
motoki ohmori 「0.2mm」Recording Behind the Scenes 引用
と語っています。
”Mrs.GREEN APPLE”という大切な絶対的居場所があるからこそ、ソロという形で少し外の世界へ出て、自分の中にある別の表現を試すことができる。
それは、帰る場所があるからこそ安心して旅に出られる感覚にも近い。
この『0.2mm』は、バンドとは違う場所で生まれた曲でありながら、根底にはやはり”大切な場所へ帰る”という温かさが流れているように感じた。
まとめ/小さな数字から広がる人生の物語
大森元貴の「0.2mm」は、命の始まりを思わせる小さな数字から、家族の愛や人と人との距離を描いた楽曲だ。
0.2ミリという極めて小さな命の始まり。
そして映画「90メートル」が描く、母と息子の距離。
数字の大きさは全く違うのに、どちらにも「人を思う気持ち」が込められているように感じる。
瞬発力と直観から生まれたこの楽曲は、
日常の中にある家族の愛や小さな感情と
人と人との距離を静かに
そして優しく
見つめるような作品になっているように感じます。
親としてこの曲を聴くと、子供がいつでも帰ってくる場所でありたいという気持ちと、いつか自分の人生を自分の力で歩いていって欲しいという気持ちの両方が胸に残る。


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