山口百恵『曼珠沙華』に込められた想いと秋の花彼岸花の花言葉の関連性は?

山口百恵『曼珠沙華』に込められた想い―彼岸花が映し出す情熱と儚さ

山口百恵『曼珠沙華』とは

 曲名 曼珠沙華(まんじゅしゃか)
 作詞 阿木曜子 
 作曲 宇崎竜童
 発表 1978年(アルバム「二十才の記念碑曼珠沙華
    よりリリースされた)

阿木燿子と宇崎竜童という名コンビが手掛けたこの楽曲は、山口百恵が歌う曲の中でも特に〝女性の情念〟を象徴する作品として語り継がれています。

しっとりとした旋律と内面をえぐるような歌詞。

山口百恵の低く落ち着いた声が曼珠沙華という花の妖艶さと悲しさを見事に表現しています。

シングルリリースをしていないにも関わらず、こんなに存在感があり深みのある歌って、なかなかないですよね。

今(2025年)から47年前の歌です。

その頃の私はまだこの曲の存在には気づいていませんでした。

自分が成長していく過程でいつのまにかこの曲の大ファンになり、カラオケでも良く歌ってたんですよね(^^♪)

歌詞の世界観とテーマ

曲の冒頭では


  涙にならない悲しみ


を知った女性の心情が描かれています。これは表面的な恋の終わりではなく”心の奥に潜む感情”を静かに見つめる姿のようです。やがて歌詞は


 白い花さえ真紅(まっか)に染める


という印象的なこの一節が、”彼岸花=曼珠沙華”の赤と重なり、純粋な想いが燃えるような情熱に変わることを暗示しているようです。
そしてラスト・・・


 命すべてをもやし尽くすの


というフレーズ。愛にすべてを懸ける女性の強さと消えゆく美しさが共存しています。

上記の歌詞は私が最も好きな歌詞です。大人として成熟?してやっと、この情景が自分なりに理解できるようになったんですよね。

カラオケでは「もやしー尽くすのお~~↑」は気合入れて歌ってます(^^♪)

 

彼岸花(曼珠沙華)という花の意味

学名:Lycoris radiata(リコリス・ラジアータ)
開花時期:9月中旬~10月上旬
別名:死人花(しびとはな)
   地獄花(じごくばな)
   毒花 痺れ花 幽霊花 天蓋花 剃刀花 
   雷花 狐花 など
花言葉:情熱
    独立
    悲しき思いで
    あなたを想う
特性:花、茎、球根すべてに毒があると言われているが                                            特に球根に毒性が強いとされている。開花するまでに葉は出ず花が枯れてから葉っぱを出す。

別名が沢山ありますが、その名の通り”お彼岸”が由来となっているようです。

「彼岸」の言葉はサンスクリット語で「悟りの世界」を表しており、「あの世」をさしています。

「彼岸=あの世(死)」を連想させることから、不吉な意味の別名が多くなっているのでしょうか。

しかし、燃えるような真っ赤な花弁はとても美しいですよね。

その姿が「別れ」「再生」「情熱」といった日本人の心像風景に重ねられ、秋のお彼岸に咲く花として、多くの人に愛されているのではないでしょうか。

 

「曼珠沙華」に込められた象徴性

山口百恵の「曼珠沙華」は花としての曼珠沙華=彼岸花の象徴を、恋愛や人生の比喩として見事に表現されています。

(視点)   象徴する意味 曲の中での対応
(赤い花)  情熱・命の炎 愛に燃える女性像
(散る花)  終わりと再生 心の成長
(葉が出ない花)すれ違い 一方通行の想い

まさに「生と死」「愛と別れ」「純粋と情念」が一体化となった世界。

それがこの楽曲を単なる恋愛歌ではなく、”詩的作品”に押し上げていると思います。

本当に阿木曜子さんて美人で天才で素敵は女性ですよね!(^^)!

 

彼岸花と共に生きる詩「曼珠沙華」と山口百恵の永遠性

山口百恵の「曼珠沙華」は単なる昭和歌謡ではなく、それを越えた「人生の詩」。

彼岸花という花の持つ二面性
  ー美と哀 熱と冷 命と死ー
を女性の内面に重ねています。

その普遍的なテーマゆえに、今もなお多くの人の心に響き続けているのです。

秋の風が少し冷たくなったら、是非もう一度、「曼珠沙華」を聴いてみてください。

真紅の花びらのように、あなたの心の奥にも静かな炎が灯るかもしれませんよ(^^♪)

PS.「曼珠沙華」は完成度の高い傑作品となり、プロデューサーの「アルバムだけでなくもっと多くの人に聴いて欲しい」という思いから翌年1979年3月発売のシングル「美・サイレント」のB面に収録されています。

 

 

 

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